【No.600】857.S.UTCの魅力に迫る!

皆さん、こんにちは。ジン・デポ 渋谷の小出です。
いつもブログをお読み頂き誠にありがとうございます。

今日は、UTC(デュアルタイム)機能を持ち、コックピットクロックの視認性を確保し、特殊結合方式のパイロットベゼルに、テギメント加工により硬化させた時計ケースや高い耐磁性、Arドライテクノロジーを備えパイロットウォッチの857.S.UTCをご紹介したいと思います。

 

 

パイロットにとって最も重要な瞬時の視認性を高めるため3・6・9・12のインデックスを強調した文字盤のデザインと、SINN社独自の特殊結合方式のパイロットベゼル、そしてセラミックス同等以上の硬度を誇る耐傷性のテギメント加工+ブラック・ハード・コーティングを備え、上空12,000m減圧耐性も備えたプロユースの機能性と外観が特徴です。

 

 

857.S.UTCは抜群の視認性ですね!

大戦中の戦闘では時速650キロを越えるスピードで空中戦が行われており、強震、急上昇、急降下、急激な温度変化など、さまざまな環境に耐えなければならないコックピット内のパイロットにとって最も重要なことは、極限状態においても瞬時に読みとることのできる計器です。コックピットクロックも重要な計器のひとつであり、見て分かりやすいデザインとかたち、広い範囲から見える、見てすぐ理解できる数字などの有効性から、3・6・9・12が視認性の構成要素になっています。SINN社創業以来、軍用機や航空機に納入しているコックピットクロックで培われた視認性に優れた文字盤と針のデザインが腕時計にも使用されています。SINNの時計作りの原点はここにあるのです。

 

それではSINNを代表する3つのテクノロジーをご紹介します。

 

 

〈ここが凄い!その1〉
テギメント加工+ブラック・ハード・コーティング

耐傷性を確保する表面硬化技術

ハイグレードなステンレススチールの「904L」には、SINNテクノロジーの一つである「テギメント+ブラック・ハード・コーティング(PVD)」が施され、セラミックと同等以上の1200ビッカースの硬度を誇っています。テギメントとは、窒素を使用した浸炭加工を時計のケースに施すことにより鋼材の表面に炭素分子を拡散・浸透させ、焼入れして硬化させる技術です。さらに同程度の硬度であるブラック・ハード・コーティング(PVD)が施されているため、ドライバーで引っ掻いても傷が付きません。また、いわゆるエッグシェル現象を防止して、PVDが剥離することもありません。

 

 

 

 

〈ここが凄い!その2〉

マグネチック・フィールド・プロテクション

磁気による干渉を最小限に抑える

磁気が時計の精度に悪影響をあたえることに気づいたのは1960年代です。耐磁性能の時計が作られるようになりましたが、当時はパイロットやエンジニアなど専門職だけに使われていました。時計の構造は、軟鉄製のインナーケースを使用しムーブメントを磁力線から保護していたわけですが、時計ケースが必要以上に分厚くなるといった難点がありました。そこでSINNでは特殊な軟磁性材料のリングでムーブメントを囲み、文字盤と裏蓋にも特殊な軟磁性材料の使用することで、インナーケースを不要としたのです。現代はコンピューターや携帯電話など磁気を発生する電子機器がいたるところに氾濫し、時計の精度に悪影響をあたえていますが、これに対応できるのがこの80,000A/m=100mT=1000ガウスの耐磁性能です。

 

マグネチック・フィールド・プロテクションは、特殊な軟磁性材料の文字盤とリング、そして裏蓋の3つの構成により磁化を遮断しています。文字盤には耐磁性能を示す特殊なロゴマークΦが印されています。文字盤にこのマークがなく、裏蓋に「80,000A/m」の刻印が入る場合もあります。

※上記写真はモデル756です。

 

ステンレススチールの裏蓋は磁石にクリップが吸い寄せられるのに対し、マグネチック・フィールド・プロテクションによる裏蓋は耐磁性能を発揮しクリップが吸い寄せられることはありません。

※ステンレススチールには磁石はくっつきませんが、特殊な軟磁性材料には磁石はくっつきます。

 

裏蓋には100mT(=80,000A/m)の刻印が入っています。耐磁時計のためのDIN(ドイツ工業規格)で定められた4.800A/m数値をはるかに超え、またJIS(日本産業規格)第2種耐磁時計の16,000A/mの5倍の能力を誇ります。
裏蓋はニッケルフリーの特殊な軟磁性材料を使用して耐磁性能を確保しているため、テギメント加工を施すことはできません。

 

 

 

〈ここが凄い!その3〉

Arドライテクノロジー

精度の安定をもたらすケース内の除湿機構

時計を湿気から守る除湿機構の「Arドライテクノロジー」を採用しています。機械式時計は、それぞれのパーツが円滑に動くよう潤滑オイルが使用されています。時計ケース内部の空気に含まれている湿気によりこの潤滑オイルが劣化すると精度に悪影響をおよぼします。Arドライテクノロジーは、時計ケース内の湿気を吸収する「ドライカプセル」の搭載、時計ケース内に希ガスと呼ばれる極めて安定した「プロテクトガス」を充填、通常のパッキンより水分浸透を最大で25%削減する「EDRパッキン」の採用という「3つの技術的要素」により、時計ケース内はほぼ無水の環境となります。ドライカプセルに吸収された水分量が増すにつれて、淡いライトブルーからネイビーブルーへと色が変化します。

 

 

 

ドライカプセルのカラースケールです。飽和度最大25%の淡いライトブルーから、特殊乾燥剤の色が最も濃くなるネイビーブルーの飽和状態まで、カプセルが湿気と結合します。

※上記写真はモデル756です。

 

 

 

 

ちなみに、暗所ではスーパールミノバによりこのように発光します。

スーパールミノーバは、屋外では太陽光のもとで瞬時にフルチャージされます。曇りや雨の日は30秒ほどかかります。屋内では蛍光灯(昼白色や昼光色)のもとで、30分ほどでフルチャージされます。ただしオレンジっぽく温かみのある光の色(電球色)では、なかなかチャージされません。暗所での発光時間はおよそ2〜3時間です。

 

 

 

 

 

857.S.UTC

857.S.UTCは、SINNを代表する3つのジン・テクノロジーである「テギメント+ブラック・ハード・コーティング(PVD)」、「マグネチック・フィールド・プロテクション」、「Arドライテクノロジー」を備えた最強の腕時計ではないでしょぅか? プロフェッショナルの高い要求に応えることはもちろん、一般のユーザーの要望にも応えるという、SINNの時計製作に対する真摯な姿勢が貫かれたモデルです。

時計ケースとブレスレットは904Lのステンレススチールで、直径43mm、厚さ12mmと装着感も最高です。ムーブメントはセリタ社のCal.SW330-1(自動巻/25石/28,800振動/パワーリザーブ42時間)を搭載しています。防水性能はドイツ工業規格DIN8310で20気圧(200m)防水です。上空12,000mまでの減圧耐性も備えています。

 

 

 

 

モデル857シリーズは コチラ

 

 

 

 

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2024年5月7日/小出

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