命を守るデザイン

ジン・デポ 渋谷の小出です。今日は「EZM1, EZM2, EZM3」をご紹介します。

ドイツSinn社は1997年にこれまでにはなかった新シリーズ「EZM」を発表しました。EZMとは、出撃用計測機器を意味するドイツ語「Einsats Zeit Messer(アインザッツ=出撃/ツァイト=時刻/メッサー=計測機器)」の頭文字です。特殊なミッションを想定して開発されるミッションタイマーのカテゴリーです。

 

急増する武装密輸組織を取り締まるべく、ドイツ税関中央局内に結成された特殊戦闘部隊ZUZのために開発された503.EZM1。連邦国境警備隊に所属する対テロリズム特殊部隊GSG9、そのダイバー部隊のために開発された403.EZM2。そして、ドイツ警察特殊部隊が任務を遂行するために開発されたダイバーズウオッチの603.EZM3。

使用感の向上と重火器などにひっかからないための逆リューズ、どのモデルもヒューマンエラーの可能性を徹底排除したデザインと機能を備え、特殊部隊員たちの良き相棒となるべく、ひたすら“使うためだけ”に特化されていたのです。

model 503.EZM1
1998年発売(参考商品)
ドイツ税関中央局特殊部隊ZUZの要請に応えて視認性に特化。インダイアルなどの要素を省いたセンター4針のクロノグラフ。自動巻き(LEMANIA Cal.5100)センタークロノグラフ。Arドライテクノロジー搭載。チタンケース。ケース径40mm。30気圧(300m)防水。

 

 

model 403.EZM2
1997年発売(参考商品)
対テロリズム特殊部隊GSG9ダイバー部隊の要請に応えて開発されたダイバーズ・ウオッチ。クォーツ(ETA Cal.955.612)。ケース内にシリコンオイルを充填するハイドロテクノロジーを搭載。ステンレスケース。ケース径41mm。500気圧(5000m)防水。

 

 

model 603.EZM3
2001年発売
ドイツ警察特殊部隊が任務を遂行するために必要な機能を徹底的に追求した究極の計測機器。自動巻き(ETA Cal.2824-2)。80,000A/mの防磁性能。Arドライテクノロジー。ジン特殊オイル66-228。ステンレスケース。ケース径41mm。50気圧(500m)防水。

 

 

いま買えるモデルはコチラ!!

model EZM3
¥330,000(税別)
2001年発売の500m防水のダイバーズ・ウオッチ。EZMの特徴である9時位置にリュウズを設けたケースに逆回転防止ベゼルを備える。軟磁性素材の軟鉄をインナーケースやムーブメントホルダー、裏蓋、文字盤に使用して80,000A/mまでの耐磁性能を保証するマグネチック・フィールド・プロテクションを装備。ケースは直径41mm、厚さ12.3mmのSS製で、自動巻きのETA Cal.2824-2(25石、毎時2万8800振動、パワーリザーブ約38時間)を搭載。

 

 

model EZM3.F
¥330,000(税別)
2015年に発売されたパイロット・ウオッチ仕様で、1分単位で設定ができる両方向回転のベゼルは時計と反対回りに分目盛りが記され、裏蓋の厚さもマイナス0.6mm薄くなり、防水性能が20気圧である点が上のモデルと異なる。また文字盤内周の12時間表示が省かれた。両モデル共にArドライテクノロジーを装備する。直径41mm、厚さ11.7mmのSS製ケースに自動巻きのETA Cal.2824-2(25石、毎時2万8800振動、パワーリザーブ約38時間)を搭載。

 

 

model EZM3.J
¥340,000(税別)
“マイスターブンド・シリーズ”の誕生10周年を記念して、2017年に発表された日本限定モデル。ジン社長のローター・シュミット氏は日本国内の主要正規販売店約20社をマイスターブンド(マイスター連合)と名づけ、時計開発にあたって彼らの意見を参考にする体制を確立した。こうして誕生した時計がマイスターブンド・シリーズと呼ばれる。同シリーズの最初のモデルとなった“603.マイスターブンド I”へのオマージュとして製作された。秒針や逆回転防止ベゼルの目盛り、文字盤の6時位置に記されたArドライテクノロジーとマグネチック・フィールド・プロテクションを示すマーク、そして日付表示のダークレッドはマイスターブンド・シリーズの特徴。直径41㎜、厚さ12.3mmのSSケースに自動巻きのETA Cal.2824-2(25石、毎時2万8800振動、パワーリザーブ約38時間)を搭載する。50気圧防水。日本限定150個。

 

参考商品

model 603.MEISTERBUND.I
参考商品
2007年に登場した“マイスターブンド・シリーズ”の第1弾で、70個の限定で生産された。EZM3がベースだが、ベゼルの目盛りがバーに変更された。また文字盤の12時位置のジンのロゴがダークレッドで記され、9時位置にマグネチック・フィールド・プロテクションのマークが加えられた。さらにインデックスの一部にダークレッドを使った点もスタンダード・モデルと異なる。

 

 

【特別編】
GSG9パラシュート部隊
model 142.Mを実戦使用

1997年、専用ダイバーズ・ウオッチの開発を打診すべくジン社を訪ねていたドイツの対テロリズム特殊部隊GSG9ダイバー部隊の関係者から、ジン社の担当者は意外な事実を聞かされたのです。GSG9降下部隊の隊員全員が、個人負担で購入した「model 142.M」を実戦で使用しているというのです。優れた耐衝撃性と視認性、特に作戦に不可欠な分積算計の視認性の良さを評価していたのです。1999年、ジンは正式にGSG9降下部隊から制式時計の開発要請を受ける事になりました。かくして完成したのが「model 142.TI.GSG9」なのです。

model 142.M.GSG9
参考商品
この時計は実際に対テロリズム特殊部隊GSG9のパラシュート部隊の隊員が個人負担で購入し、実戦装備品として使用していたステンレススチール製の現物です。文字盤は後からジン社にて部隊マーク入りに交換されました。その後1999年2月に、より軽く強靱なチタン製モデルが制式採用されたのです。直径44.0mm、厚さ15.0mmのケースにレマニア製の自動巻クロノグラフのCal.5100(17石、毎時2万8800振動、パワーリザーブ約48時間)を搭載。10気圧防水。

 

 

プロフェッショナルたちが必要とする機能はその現場によってまったく異なります。パイロット、ダイバー、救急医師、そして特殊部隊の隊員。それぞれが求める機能が徹底的に研究された形こそが、「EZM」シリーズ、命を守るデザインを作り出したのではないでしょうか。

写真/Sinn 世界計測機器(ワールド・ムック1174)より

2020年2月2日/小出

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