Sinn 903.ST.BE.II:歴史を継承し、進化を遂げたナビゲーション・クロノグラフの真実

こんにちは!GRACIS WATCH札幌の澤田です!

今日は少し肌寒くなりましたね。

札幌はもう一気に秋本番という感じがします。

この時期の澄んだ空気は気持ちいいですが、朝晩はもうコートが手放せないくらい冷えますよね。

皆さんのお住まいの地域はどのような感じですか?👀

今年新社会人になって、学生の時より、一層「体調には気をつけなきゃ!」という意識が高まりました。

そんな私は、免疫を高めることと健康を保つことを意識して、最近ランニングをしています!

なので、最近は色々とランニンググッズを揃えています🏃

三日坊主で終わらないように継続して、雪が降る前に効果を少しでも感じられたらいいな~と思っております。

さて、今日ご紹介するのは、冷たい札幌の空気も吹き飛ばすほどの熱い物語と、深く美しいブルーを持つ特別な時計、Sinnの「903.ST.BE.II」です。

 

 


 

この時計を一目見た方は、「どこかで見覚えがある」「あの伝説的なパイロットウォッチに似ている」と感じるかもしれません。

そうです。903シリーズ、実は皆さんが頭に思い浮かべたあのブランドと、親密な関係にあるんです!このSinn 903のルーツには、スイスの有名ブランド、ブライトリングのナビタイマーという偉大な時計の歴史が深く関わっています。

以下の2枚の写真をご覧ください。

上がSinn 903.ST.BE.IIで、下がブライトリング NAVI 41 B01です。

デザインがとても似ていますよね!

二枚の写真を比較して違いを挙げるとしたら、大きく二か所でしょうか。

Sinn 936は目盛の下に「12」の数字が書かれていますが、ブライトリング NAVI 41 B01にはそれがありません。

また、Sinn 936は5連ブレスレットですが、ブライトリング NAVI 41 B01は、7連ブレスレットです。

1979年:デザインの魂を救った、歴史的な継承

Sinn 903がナビタイマーと似ているのは、単なる模倣ではありません。

そこには、機械式時計の歴史を語る上で避けて通れない、正当な継承の物語があります。

1970年代後半、安価で高精度なクォーツ時計が世界を席巻し、多くの機械式時計メーカーが危機に瀕しました。

この時、ブライトリングも経営難に直面し、活動を一時停止する事態となります。

その歴史的な瞬間、Sinnの創業者ヘルムート・ジンは、ブライトリングが世界に誇るナビタイマーのデザイン権と、一部の製造部品を正式に買い取りました。

これにより、ナビタイマーの象徴的な回転計算尺(対数尺)を備えたクロノグラフのデザインは途絶えることなく、Sinnの「903」シリーズとして、ドイツの地で新たな命を吹き込まれることになったのです。

Sinn 903は、偉大なデザインの遺産を正式に引き継ぎ、現代に生きる「正統な後継機」なのです。

この事実は、時計愛好家にとって非常に重要であり、Sinn 903を単なる時計以上の、歴史的なタイムピースたらしめています。


美しきブルーダイヤルと、現代的な進化

この903.ST.BE.2 Mは、その歴史的な背景を背負いながらも、Sinnならではの技術によって現代のプロフェッショナルの要求に応える進化を遂げています。

モデル名に「BE 2」と付くこの時計の最大の魅力は、そのサンレイ仕上げの美しいブルーダイヤルです。

光の当たり方によって表情を変える深いブルーは、伝統的なナビゲーションウォッチにモダンで洗練された印象を与えています。

このカラーリングは、クラシックなデザインに新しい息吹を吹き込み、普段のスタイルにも溶け込みやすい魅力を持っています。

しかし、Sinnが最も注力したのは、その「道具」としての実用性です。

 

1. ナビゲーションクロノグラフとして異例の20気圧防水

Sinn 903は、なんと20気圧(200m)防水という高い耐圧性能を誇ります。

これは、ナビゲーションウォッチのデザインを持つ時計としては異例のハイスペックです。

一般的に、同様のデザインを持つクロノグラフは3気圧程度の生活防水に留まることが多い中、Sinnはケース構造を徹底的に見直し、ねじ込み式リューズなどを採用することで、圧倒的な防水性能を実現しました。

飛行中に万が一、水没や激しい雨に遭っても時計が機能し続けるよう、徹底的に設計されています。

単なる「水に濡れないように注意する時計」ではなく、「水濡れを気にせず日常使いできる、真のツールウォッチ」へと進化させているのです。

2. コラムホイールとハイブリッド・セラミックによる高機能

ムーブメントには、ラ・ジュー・ペレ製のコラムホイール式クロノグラフムーブメント(LJP L110)を搭載しています。

コラムホイールは、クロノグラフ操作(スタート/ストップ/リセット)の感触が軽快かつ確実で、高級クロノグラフの証とも言える機構です。さらに、約60時間という実用的なパワーリザーブも備えています。

また、視認性を極めるために、インデックスや「12」の数字、時分針には、高濃度の夜光塗料を練り込んだハイブリッド・セラミック夜光エレメントが採用されています。

これは、光を吸収するだけでなく、自ら発光する素材を立体的に配置するSinn独自の技術であり、夜間や暗所での極めて高い視認性を実現しています。

3. 視認性を極めた文字盤と計算尺

クロノグラフは、3つのインダイヤル(30分積算計、12時間積算計、スモールセコンド)を持つクラシックなトリコンパックス配置です。

それぞれの針が細部にわたってクリアに設計されており、パイロットが必要とする瞬間的な計測を可能にします。

そして、この時計の象徴である回転計算尺は、外周と内周の対数目盛りを操作することで、燃料消費量や速度、距離など、フライトに必要な様々な計算をアナログで行うことができます。

これは、現代の航空機器が電子化された今もなお、「バックアップの道具」としてのロマンと機能性を持ち続けています。

4. 複雑性と実用性を両立する回転計算尺

そして、この時計の象徴である回転計算尺は、外周と内周の対数目盛りを操作することで、燃料消費量や速度、距離など、フライトに必要な様々な計算をアナログで行うことができます。

かつてパイロットの命綱であったこの機能は、現代の航空機器が電子化された今もなお、「バックアップの道具」としてのロマンと機能性を持ち続けています。この複雑な機構を、高い防水性を保ちながらスムーズに操作できるように設計している点も、Sinnの技術力の高さを物語っています。


日常の腕にフィットするモダンなバランス

Sinn 903.ST.BE.2 Mは、その高い機能性やタフネスにもかかわらず、ケース径は41mmと、現代のトレンドに合ったバランスの良いサイズ感に収められています。

これは、初代ナビタイマーのサイズ感を踏襲しており、腕に載せた時のクラシックな心地よさを感じさせます。

クロノグラフとしてはやや大きめですが、その存在感は、身に着ける人に「本物の道具を所有している」という満足感を与えてくれます。

落ち着いたサテン仕上げのケースは、マットなブルーダイヤルと相まって、ビジネスシーンでのスーツスタイルにも、カジュアルなジャケットスタイルにも違和感なく溶け込む、モダンなクロノグラフとして完成しているのです。

最後に:「デザインのロマン」と「機能の信頼性」の融合

Sinn 903.ST.BE.2 Mは、ブライトリングが歴史的な遺産として生み出した美しいナビゲーションクロノグラフのデザインを、Sinnが「特殊時計」としての哲学と技術で現代に蘇らせ、さらなる実用的な進化を遂げたモデルです。

それは、単なる計測機器ではなく、歴史的なストーリー、揺るぎない技術、そして美しいデザインという三つの要素を併せ持った特別なタイムピースです。

人とは違う、個性的で、なおかつプロフェッショナルな品質を求める方に、最高のパートナーとなるでしょう。

GRACIS WATCH札幌では、この特別なストーリーを持つ903.ST.BE.2 Mを、ぜひ店頭で手に取ってご覧いただきたいです。

その歴史の重みと、ブルーダイヤルの美しさをご体感ください。

皆様のご来店を心よりお待ちしております。

 

スペック
Sinn 903.St.B.E.II
ムーヴメント  LJPL110搭載
パワーリザーブ  約60時間
防水性能  20気圧防水
メーカー保証  2年
ケース径  41mm
素材  ステンレススチール
価格  841,500円(税込) (2025.10月現在)