【No.308】新作のEZM1.1S 予約受付中です！

皆さん、こんにちは。ジン･デポ 渋谷の小出です。
いつもブログをお読み頂き誠にありがとうございます。

 

ドイツSINN社は1997年にこれまでにはなかった新シリーズ「EZM」を発表しました。EZMとは、出撃用計測機器を意味するドイツ語「Einsatz Zeit Messer（アインザッツ=出撃／ツァイト=時刻／メッサー=計測機器）」の頭文字です。特殊なミッションを想定して開発されるミッションタイマーのカテゴリーです。

 

1997年にドイツ連邦共和国は、組織的犯罪グループや密輸組織を取り締まる税関スタッフを守るために、特殊部隊の“Zentrale Unterstuetzungsgruppe Zoll（中央支援グループ。ZUZ）”を組織しました。そのために集められたのがGSG9から選抜された選りすぐりのメンバーです。税関取り締まりの際に予想される銃撃などの過激な抵抗に対応することが彼らの任務です。

 

 

EZM1.ZUZ
1997年開発

1997年に開発に着手し、1998年に完成したEZM1。関税局中央支援グループ特殊部隊の公式装備品として36個が同部隊に納入されました。文字盤の12時位置にジンのロゴとEINSATZZEITMESSERの文字、6時位置にZUZのロゴマークがダークレッドで記されています。この色はEZMシリーズに共通しています。高い視認性を確保するために、インデックスや針には放射性物質のトリチウムが塗布されていました。

 

 

EZM1.3H
1998年発売

1998年に発売された、文字盤の6時位置に3Hのマークが入った一般市販用の初期モデルです。仕様は関税局中央支援グループの特殊部隊用と同様で、直径40.0mm、厚さ16ｍｍのグレード２のチタン・ケースにレマニア製のCal.5100を搭載しています。なおCal.5100は本来、日付と曜日表示、24時間表示、スモールセコンドを備えていますが、これらは取り除かれました。蛍光塗料としてトリチウムが使用されたことから、文字盤の6時位置にはトリチウムを示す３Hが記されレています。

3HとはHydrogen-3の略で、放射性物質である三重水素、いわゆるトリチウムです。時計業界全体でも1990年代後半には、ほぼ全てのブランドがスーパールミノバへ変更しています。

 

 

EZM1.Ar
1999年発売

1999年に発売されたモデルで、ケース内部を湿気から守るArドライテクノロジーを装備しています。回転ベゼルを備えたケースは直径40.0ｍｍ、厚さ16ｍｍのグレード２のチタン製で、レマニア製自動巻きクロノグラフのCal.5100（17石、毎時2万8800振動、パワーリザーブ約48時間）を搭載しています。なお蛍光塗料のトリチウムは非放射性物質のスーパールミノバに変更されています。30気圧防水。

 

 

 

EZM1はZUZ（関税局中央支援グループ）の重要な装備品のひとつです。チタン製ケースで軽く、装着感に優れています。

 

 

 

ケース内部の湿気を吸収するドライカプセル（写真の薄い水色の部分）がケースに装填されています。

 

 

 

搭載しているムーブメントは、2002年に製造中止となったヌーベル・レマニア社（現在のブレケ社ムーブメント製造部門）のCal.5100です。

 

 

 

EZM1.1
2017年発売　EZM1発売20周年記念　世界限定500セット

ミッションタイマーの誕生20周年を記念して2017年に発表された限定モデルです。オリジナルに搭載したレマニア製の自動巻きクロノグラフのCal.5100に倣い、中心にクロノグラフ秒針と飛行機モチーフが付く60分積算計針を備えるCal.SZ01（28石、毎時2万8800振動、パワーリザーブ約46時間）が新たに設計されました。直径43.0㎜、厚さ16.4㎜のケースはテギメント加工を施して1200ビッカースをもつSS製で、20気圧防水を保証しています。限定500個。

 

 

 

EZM1.1S
2022年夏発売予定　EZM1発売25周年記念　世界限定500セット

 

 

〈ここが凄い！その1〉逆リュウズ

逆位置に配置されたリュウズとプッシュボタンは、腕の動きを妨げず、銃火器などにリュウズ等が引っかかることのないよう、又ミッション時に装着するグローブが干渉しないよう、SINNがミッションタイマーに採用している安全設計なのです。常に危険と接するプロフェッショナルなユーザーにとって事故につながる要素を事前に排除することに役立っています。

 

 

 

〈ここが凄い！その2〉センター4針のSINN Cal.SZ01搭載

 

 

直径43mm×厚さ16.4mmケースに搭載されたムーブメントはセンター4針式のクロノグラフで、かつてプロのパイロットたちから抜群の視認性を発揮するとして絶賛されたモデル156.Bに搭載していたレマニア製Cal.5100に由来するジン社独自のCal.SZ01です。通常のクロノグラフに搭載される時計自身の秒針や12時間積算計を取り払っています。クロノグラフの秒と分積算計に特化しています。開発には2003年から2011年まで8年を要し、最初に搭載されたモデルはEZM10でした。

 

 

 

〈ここが凄い！その 3〉テギメント＋ブラック・ハード・コーティング

 

 

マット仕上げの904Lステンレススチールケースには、ジン・テクノロジーの一つである「テギメント＋ブラック・ハード・コーティング(PVD)」が施され、セラミックと同等以上の硬度を誇っています。テギメントとは、窒素を使用した浸炭加工を時計のケースに施すことにより鋼材の表面に炭素分子を拡散・浸透させ、焼入れして硬化させる技術です。さらに同程度の硬度であるブラック・ハード・コーティング(PVD)が施されているため、ドライバーで引っ掻いても傷が付きません。また、いわゆるエッグシェル現象を防止して、PVDが剥離することもありません。

 

 

 

〈ここが凄い！その4〉Arドライテクノロジー

時計を湿気から守る除湿機構の「Arドライテクノロジー」を採用しています。機械式時計は、それぞれのパーツが円滑に動くよう潤滑オイルが使用されています。時計ケース内部の空気に含まれている湿気によりこの潤滑オイルが劣化すると精度に悪影響をおよぼします。Arドライテクノロジーは、時計ケース内の湿気を吸収する「ドライカプセル」の搭載、時計ケース内に希ガスと呼ばれる極めて安定した「プロテクトガス」を充填、通常のパッキンより水分浸透を最大で25％削減する「EDRパッキン」の採用という「3つの技術的要素」により、時計ケース内はほぼ無水の環境となります。

 

 

 

〈ここが凄い！その5〉決して外れない回転ベゼル

ミッショングローブを着用したままでも操作しやすい「特殊結合方式の回転ベセル」を採用しています。ネジがお分かりになると思います。これは4箇所にあります。1箇所はCリングを止めるネジです。残り3箇所は中のブレードを時計ケースの溝にはさみ込んでいます。これが「特殊結合方式の回転ベゼル」です。はめ込み式の回転ベゼルのように、何かにぶつけて回転ベゼルが外れるという事故は起こり得ません。

 

 

 

〈ここが凄い！その6〉衝撃のジン特殊オイル66-228

 

機械式時計のムーブメントに使用されている潤滑オイルは、通常－25℃で粘性が高くなり時計の精度が維持できなくなりますが、ジン社開発の「ジン特殊オイル66-228」は－66℃まで粘性を維持し＋228℃まで蒸発が起きません。このオイルの使用により急激な温度変化に耐え、－45℃から＋80℃の温度範囲でDIN(ドイツ工業規格)の定めた刻時精度の維持を可能にしました。

 

 

 

〈ここが凄い！その7〉スーパールミノバ発光

長短針、クロノグラフの秒針と60分積計、インデックス、回転ベゼルのポイントには、スーパールミノバによる夜光処理により暗所でも視認性が確保されています。スーパールミノーバは、屋外では太陽光のもとで瞬時にフルチャージされます。曇りや雨の日は30秒ほどかかります。屋内では蛍光灯（昼白色や昼光色）のもとで、30分ほどでフルチャージされます。ただしオレンジっぽく温かみのある光の色（電球色）では、なかなかチャージされません。暗所での発光時間はおよそ2〜3時間です。

 

 

 

〈ここが凄い！その8〉BOXセットで世界限定500セット

BOXにはビンテージ仕上げのカウレザーストラップと、ベルト交換工具、予備のバネ棒を納めています。
ムーブメントは、SINN社のCal.SZ01（自動巻／33石／28,800振動／パーワーリザーブ46時間）を搭載しています。
ケースサイズは直径43mm×厚さ16.4mm、重量は106g（ベルトを除く）、ベルト幅は22mmです。
さらに、耐磁性能はドイツ工業規格DIN8309で4,800A/mで、防水性能はドイツ工業規格DIN8310で20気圧（200m）防水です。負圧耐性も備えています。

 

 

 

 

EZM1.1Sは、ジンのミッションタイマー25周年を記念して世界限定500本で製作された特別限定クロノグラフで、その読みやすさを追求したデザインは、実績あるモデルEZM1のスタイルを踏襲しています。ジンのミッションタイマーの歴史は1997年、ドイツ税関刑事局の特殊部隊である税関局中央支援グループ（ZUZ）の要請で開発された、今や伝説となったEZM1からすべてが始まりました。

 

 

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