【No.073】久しぶりのモデル15●シリーズ

皆さん、こんにちは。ジン･デポ渋谷の小出です。

ジンにとっては本当に久しぶりのモデル15●シリーズが発売されました。1980年代後半に発売されたモデル157から実に30数年ぶりにモデル158が発売となったのです。

と言うことで今日は15●シリーズのお話しです。

【1967年】

model 155

1967年は、西ドイツ空軍が新たに制式クロノグラフの調達を実施した年です。この時、調達先に選ばれた時計メーカーが2社。ひとつがホイヤー・レオダニス社(現タグ・ホイヤー)、もうひとつがジンだったのです。

軍は両者から調達した制式クロノグラフを共通してタイプ1550と呼んでいました。故障した際は、どちらのモデルもジンが修理を担当しました。時にはダイアルが入れ替わってしまうこともありましが、使用するにあたって不都合なことはなかったといいます。

タイプ1550には｢6645-12-146-3774｣、｢6645-12-146-5081｣、｢6645-12-148-2298｣と3種類のNATO軍の時計管理ナンバーが割り当てられていました。ジンのモデル155には「6645-12-146-3774」のナンバーが与えられたのです。

当時より名機との呼び声も高く、ジンの名を広く世に知らしめたモデル155は、当時としては大型の直径43mmのケースに手巻きのバルジュー Cal.230を搭載。スモールセコンドと30分積算計を装備、フライバック機能を備えていました。また、操作性と視認性を向上させるべく、黒くて大きな回転ベゼルが搭載されていたのです。

【1980年代前半】

model 156.B

モデル156.Bは1980年代前半に名品のモデル155の後継機として、機能の充実をより一層図りながら開発されたクロノグラフです。手袋をはめていても操作しやすい大型ベゼルの内側には、アクリルガラス製の風防が取り付けられていのした。傷が付いてもポリッシュすれば簡単に傷を消すことができるアクリルガラスは、軍内部でも処理が可能。この長時間継続して使用できるというメリットが評価され採用されたのです。もっとも、一番評価されたのは、レマニア社のCal.5100に由来するセンター4針の文字盤のデザインです。抜群の視認性を発揮すると、プロのパイロットたちから絶賛されました。

※ちなみにレマニア社のCal.5100は、1973年に発売され、2002年に生産終了となったムーブメントです。

【1980年代後半】

model 157.M.12

model 157.M.TY

モデル156.Bから派生し、1980年代後半に開発されたモデル157シリーズにも、同じレマニアのCal.5100が搭載されていました。セントラルミニッツカウンターを装備する文字盤は、作戦行動中に経過時間が把握しやすいのが特徴です。インナーベゼルには12時間表示の他に、タキメーターやパルスメータを装備したモデルがありました。スクリューバックにねじ込み式リュウズ、20気圧防水機能が共通仕様です。ケース素材はステンレススチールのほか、チタンを採用するモデルもありました。

【2020年】

model 158

ジンの伝説的クロノグラフ155や156.Bの流れを汲む待望の後継機がモデル158です。直径43mmのサンドマット仕上げのステンレススチール製ケース、ドーム型のアクリルガラス製風防、使いやすいアルミニウム製のブラックベゼル、大きく快適なリューズは、ジンの伝統的なパイロットクロノグラフを彷彿とさせます。ムーブメントはSW510（自動巻／27石／28,800振動／約48時間）を採用。バイコンパックスのダイヤルデザインで、かつて時計史上に存在したモデルに忠実な外観を備えています。世界で500本のみの限定です。

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※２セットのみとなります。予めご了承ください。