【No.033】深海に降り立つ強者

こんにちは。ジン・デポ 渋谷の小出です。
今日はジンの数あるモデルの中からダイバーズウオッチをご紹介します。

 

潜水後に淡水で洗浄する必要がなく、海水に強いケース素材を求めた結果、ジンがたどり着いたのが潜水艦用のスチールでした。ドイツの最新鋭潜水艦と同じ鋼材を使い、海水に対する耐性と耐磁性をもつケースが誕生したのです。

モデルUシリーズの時計ケースには、ジン社独自の素材であるドイツの最新鋭の潜水艦Uボートの鋼鉄を使用しています。この潜水艦鋼鉄Uボート・スチールは海水耐性が優れているだけでなく、残留磁気を帯びずに反磁気性があり、また表面硬度が非常に高いといった特徴があります。

さらにテギメント加工を施した回転ベゼルの硬度は1500ヴィッカースで引っかき傷がつかず、ジン社の特殊技法で固定されているため、潜水時によく発生する岩などにぶつけて回転ベゼルが外れるという事故は起こり得ません。サファイアガラスには傷から守り反射を抑えるコーティングが施されているため、文字盤の視認性を高めています。

防水・耐圧性能は、U1が1,000m、U2が2,000m、UXは時計ケースにシリコンオイルを封入することにより、圧力による収縮率を海水や淡水とほぼ同じにするハイドロ・テクニックを採用しており、外圧に対して全く同じだけの内圧で押し返すというパスカルの原理の応用で、防水・耐圧性能は5,000mです。さらにドイツの船級認証機関DNV GL(旧ゲルマニア・ロイド)の検定を受け、Uシリーズ共通の時計ケースは12,000mまでの耐圧テストをクリアーして認定書が発行されています。

またムーブメントを組み込んだ時計本体としては、モデルU1は1,000m、モデルU2は2,000m、モデルUXは5,000mの耐圧テストをクリアーして認定書が発行されています。船舶や潜水艦以外でこの認定書が発行されている時計ブランドは現段階では唯一ジン社だけです。

 

 

model U1
1000m防水

 

model U1
¥330,000(税別)

2005年発売に発売されたUシリーズの中で最もベーシックなモデルです。ケースとリュウズ、裏蓋は潜水艦用スチール製で、逆回転防止ベゼルは同素材にテギメント加工を施して1500ビッカースの硬度をもちます。またベゼルは一般的なはめ込み式ではなく、サイドからケースにネジ留めする特殊結合方式を採用し、衝撃を受けても外れることがありません。ムーブメントはセリタ製自動巻きのCal.200-1(26石、毎時2万8800振動、パワーリザーブ約38時間)を搭載しています。ケース・サイズは直径44.0㎜、厚さ14.3㎜。

 

 

model U2
2000m防水

 

model U2
¥440,000(税別)

U2シリーズのスタンダードモデルで2005年に発売されました。プロフェッショナル・ダイバーのために開発され、EZMシリーズのひとつでもあります。潜水艦用スチールをケースと裏蓋、リュウズ、逆回転防止ベゼルに使い、自動巻きのETA Cal.2893-2(21石、毎時2万8800振動、パワーリザーブ約42時間)を搭載しています。文字盤中央にある24時間の第2時間帯表示は潜水には不要なため、水中では見えないよう赤で表示されています。また、特殊オイル66-228(45℃から+80℃での精度保証)、Arドライテクノロジー採用。ドライカプセルは6時位置と内部に合計2個搭載されています。

 

 

model UX
5000m防水

 

model UX
¥350,000(税別)

2006年に403.HYDRO(1996発売)の後継機として発売されました。ケースと裏蓋、リュウズに潜水艦用スチールを採用し、逆回転防止ベゼルにはさらにテギメント加工を施して1500ビッカースの硬度をもちます。ベゼルはUシリーズの他のモデルと同様に、ネジでケースに留める特殊結合方式で取り付けられています。403.HYDROと同様にケース内部にシリコンオイルを充填して500気圧防水を保証するとともに、水中での高い視認性を確保しています。ケース・サイズは直径が44.0㎜、厚さが13.3㎜。ムーブメントはETA製のクォーツCal.955.652を搭載しています。ロングライフバッテリーで約7年駆動します。500気圧防水。

裏蓋は特殊構造で中央に円盤がはめ込まれています。急激な温度変化が起きるとケース内部の圧力が増減します。また圧力の変化でシリコンオイルが充填されたケース内の非常に微細な気泡が膨張することがあります。そこで内圧の変化や気泡の発生を抑えるために、円盤がわずかに浮き上がる構造が考案されたのです。

 

写真の左側がシリコンオイルを封入したモデルです。水中であらゆる角度から視認できます。シリコンオイルを封入していない空気が入っている右側は、水中では約45°以上の角度で、光の屈折率の反射で鏡面状態になり文字盤が見えません。5000mという驚異の防水性能と水中での視認性の確保がジンのハイドロ・テクニックです。

 

 

DNV GL(旧ゲルマニア・ロイド)認定書

船舶や潜水艦の検定機関であるドイツのDNV GL(旧ゲルマニア・ロイド)が発行したモデルUXの認定書です。ムーブメントを組み込んだ時計本体としては5,000m、時計ケース単体では12,000mの耐圧テストをクリアーしています。もちろん、モデルU1とモデルU2にも認定書が発行されています。

ジンは世界で始めてヨーロッパのダイバー器具規格に準拠した時計を製造し、そのダイバーズウォッチは150年以上の歴史を持つ船級・認証機関DNV GL(旧ゲルマニア・ロイド)により耐圧性、防水性、機能性、温度による時計の曇りに対する耐性をテスト・認証されているのです。

 

世界で最も深い海溝、マリアナ海溝の水深は10,911mあります。さすがにそこまで潜ることはありませんし、人は潜れません。1000m防水? 2000m防水?? 5000m防水??? オーバースペックなのかもしれませんが、これこそが過酷な環境下で限界に挑むプロフェショナルダイバーからの信頼を獲得し、真の意味で深海に降り立つ強者の証なのです。ジンが見る深海の世界ははたしてどんな景色なのでしょうか?

 

 

上記でご紹介したUシリーズのダイバーズウオッチは、メールオーダーも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

TEL:03-6416-0020

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どうぞ宜しくお願い致します。

 

写真/Sinn Spezialuhren GmbH

2020年4月6日/小出

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